介護士の働く環境を改善しようという動きの中に特定処遇改善加算というものがあるのをご存知でしょうか。
介護士の中にはその仕事内容に対して待遇が十分な状態になっていない方が多くいます。
それを背景として生まれたのが特定処遇改善加算です。
特定処遇改善加算では、従来の処遇改善加算に加えてキャリアのある介護士に対して、さらに処遇の改善を行うものとなっています。
具体的には職場で最低1人以上、キャリアのある介護士の賃金を月8万円以上または年収440万以上にするように求められます。
日本人の平均年収が400万円強であることを踏まえると、この処遇改善には大きなメリットがあると言えるでしょう。
特定処遇改善加算にはいくつかの落とし穴があることには注意が必要です。
その1つ目は特定処遇改善加算の対象とならないサービスが多いということであり、介護予防支援や訪問リハビリテーションなどを行っている方は対象外となります。
日本には介護予防支援や訪問リハビリテーションを行い、生計を立てている介護士が少なくありません。
しかし、そこで働く人は対象から外れていることは業界にとって厳しい現実ともいえるのです。
また、介護施設自体が職場環境など要件に対して取り組みを行っていることも条件に含まれます。
つまり、介護施設側が職場環境を良くする取り組みを行っていなかった場合、特定処遇改善加算は利用できません。
介護施設側の態度次第で介護士への待遇が大きく変わる可能性があることに留意しておく必要があります。
特定処遇改善加算が施行されたことで、各介護施設の待遇が浮き彫りになることも考えられ、今後転職なども増加することが考えられるでしょう。
なお、特定処遇改善加算に関する情報は、こちらの『特定処遇改善加算で介護業界はどう変わる』にも記載されています。